亡くなった日のこと 2
夕方になって、親戚が帰っていく。
お風呂から上がって、再びじいちゃんの元へ。
そこには父とおばさんが、じいちゃんを囲うように座っていた。その隣で、ばあちゃんが寝ていた。
父とおばさんにとって、じいちゃんはお父さんだ。昔の話をしながら、じいちゃんの顔を眺めていた。おばさんは泣いていた。
おばさんは埼玉に住んでいる。旦那さんと2人でこっちへ来ていた。家庭のことで問題があり、じいちゃんによく助けてもらっていたみたいだ。
しばらくするとおばあちゃんが目を覚まし、じいちゃんが眩しそうだと言うので、そっと布をかぶせた。
2階に行くと、妹が横になっていた。顔面真っ青だった。
妹はつい1週間前に結納をすませたところで、そのとき元気なじいちゃんに会ったばかりだった。じいちゃんの死を、受け入れられないようだった。妹は特におじいちゃん子だった。
結婚式はじいちゃんと歩きたいと話していたばかりだった。
受け入れられないのはわたしも一緒だったし、元気になれるような言葉もみつからない。ただただかなしい気持ちを共有することしかできない。
それでも明日のお通夜までにはしっかりしなければ、しっかりしよう、そんな暗黙の了解があった。
その日はお互い目がぱんぱんに腫れ上がるまで泣いた。