じいちゃんに書いた手紙
じいちゃんと一緒に、棺桶に入れた手紙を
覚えている限りでここにも書いておきます
妹は手紙と耳かきを入れていたな。
(じいちゃんに耳かきをするのが日課だったので)
じいちゃんへ
初めに、じいちゃんに謝らないといけないことがあります。じいちゃんの写真をみんなに見せました。じいちゃんはきっと嫌がると思ったけど、みんなに見てほしくて。ごめんなさい。
じいちゃんが死ぬ前の日のこと、おばあちゃんから聞きました。死ぬ直前のこと、お母さんから聞きました。じいちゃんは全部わかってたんやね。わたしの夢にもでてきてくれたもんね。
じいちゃん、こんなことみんなには言えないけど、じいちゃんが死んだと聞いたとき、かなしかった反面、ちょっとほっとした。今まで辛くて、苦しかったと思うから。おつかれさまやったね。これからは好きな釣りも、ボーリングも、車の運転も、タバコも吸えるね。やったね!じいちゃん。でもお刺身食べるとき、醤油とわさび付けすぎたらダメやよ。
あんまり褒めたりしないじいちゃんが、 習字で褒めてくれるのうれしかった。
夢はじいちゃんの好きな相撲かプロレス一緒に観に行くことやったけど、叶わんかったね。でも相棒観るときは、じいちゃんも観とるんやろうなと思って観とったよ。
じいちゃんにひとつだけお願いがあります。ばあちゃんを、家族を、どうか守っていてください。わたしも守ります。
いろんなことに挑戦して、絶対に最後まで諦めないで全力やったじいちゃん。家族を守ってきたじいちゃん。頑固やったけどすごいと思った。わたしもこれからの人生、じいちゃんに恥ずかしくないような生き方をしたいと思います。
じいちゃん、ほんとうにありがとう。ゆっくり休んでね。おやすみ。