読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

じいちゃんへ

じいちゃんが死んでしまった。じいちゃんのことを忘れないための記録です。

お通夜 1

じいちゃんが死んだ、次の日がお通夜だった。

月曜日だった。

 

会社に電話をしないといけなかったので、朝早めに起きる。案の定、目がぱんぱんに腫れている。忌引休暇で2日休みを取り、残り1日、有給休暇を使って水曜日まで休むことにした。

 

冠婚葬祭で会社を休むのは初めてのことだった。

喪主をつとめる父は1週間の休みがもらえるらしい。父は職場では役職があり、仕事の引き継ぎのため朝から部下の人が家に何人か来ていた。大変そうだ。

 

目がぱんぱんの状態で、じいちゃんのところへ行く。じいちゃんは昨日よりも冷たくなっていたけど、表情は優しい顔をしている。

ばあちゃんが、じいちゃんの左腕から血が出て布団が赤くなっているのに気づく。腕には薬や点滴のアザがたくさんあり、日頃から痛そうにしていたのを思い出した。

1人の女性が昼頃に来て、段取りよく止血とシーツの交換をしてくれていた。

  

昼の3時頃。親戚や、東京に住んでいる従姉妹、その旦那さんや子供たちがぞろぞろと家に集まって来た。

じいちゃんが納棺されて、葬儀場に運ばれる時間だ。

いきなり“おめでとう”と声をかけられる。じいちゃんの妹さんだ。すごく元気な人だ。結婚する妹と間違えられていた。

 

納棺師の人たちにより棺桶が運ばれた。

いよいよじいちゃんが家から出て行ってしまう。みんなでじいちゃんに足袋をはかせ、みんなでじいちゃんを棺桶に入れた。ばあちゃんは「ありがとね」と言って、紙を折って作った鶴を中に入れていた。ばあちゃんの目が赤くなっていた。